マスク氏、世界初の兆万長者に——SpaceX上場で総資産$1.14兆

イーロン・マスク(Elon Musk)が2026年6月12日、世界初の「兆万長者(トリリオネア)」となった。スペースX(SpaceX)が同日Nasdaqに上場し、終値ベースでマスク氏の総資産が約$1兆1,400億(約163兆円)に達した。人類史上これほどの個人資産を保有した例はなく、まさに歴史的な瞬間となった。

SpaceX株が終値$160.95、初日に19%上昇

SpaceXは2026年6月12日、ティッカーSPCXとしてNasdaqへ上場した。公開価格は1株$135に設定されたが、取引開始直後から買いが集中し、初値$150で始まり終値$160.95を付けた。上昇率は公開価格比で約19%だ。

今回のIPOによる調達額は$750億(約10兆7,000億円)で、これは株式公開史上最大の規模である。企業価値(時価総額)は約$1兆7,700億と評価された。SpaceXの経営陣は上場当日「私たちは再び歴史を作った。私たちには歴史を作る歴史がある」とコメントした。

マスク氏の資産内訳と史上初の大台突破

マスク氏はSpaceXの株式約42%(約48億株)とストックオプション350万を保有している。IPO時の終値$160.95を基準にすると、SpaceX株だけで約$7,660億相当となる。これにテスラ(Tesla)株の約$2,800億を加えた合計が、初めて$1兆の大台を超えた。

上場前の推定資産は$8,130億であり、わずか1日でおよそ$3,000億の増加となった計算だ。国際NGOのオックスファム(Oxfam)は「マスク氏の資産は世界人口の下位46%(約38億人)の総資産を上回る」と指摘している。

従業員4,400人にも恩恵、宇宙産業に迫る資本集中

IPOの恩恵を受けるのはマスク氏だけではない。SpaceXの従業員約4,400人が、保有する株式・ストックオプションによって潜在的なミリオネア(百万長者)になる可能性があると報じられている。宇宙産業の第一線で働く技術者たちへの巨額のリターンは、優秀な人材の確保という観点でも業界全体に影響を与えそうだ。

2024年の夏頃、マスク氏とアマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏、LVMHのベルナール・アルノー会長は約$2,000億の資産規模で首位を争っていた。そこから2年足らずで5倍以上に膨らんだことになり、テクノロジーと宇宙ビジネスが生み出す資本の集中速度は、これまでの尺度では測れないレベルに達している。

参考:Elon Musk Hits $1 Trillion Net Worth as SpaceX IPO Breaks Records