テスラModel 3死亡事故でNHTSAが連邦調査、FSD承認に暗雲

テスラのModel 3が運転支援システム稼働中に死亡事故を起こしたとして、米道路交通安全局(NHTSA)が2026年6月22日に特別衝突調査を開始した。事故が起きたのはテキサス州ケイティ市で、車両は高速でほかの車両に衝突し民間人1名が死亡した。テスラの将来を支える完全自動運転(FSD)とロボタクシー計画の承認スケジュールに、重大なリスクが浮上している。

「自動運転中」か「手動操作」か——両者の主張が対立

事故の状況については、ドライバーとテスラで主張が食い違っている。ドライバー側は「自動運転支援機能が作動していた」と主張している一方、テスラは「車両データによれば衝突時はアクセルが完全に踏み込まれた手動操作状態だった」と反論している。いずれの主張が正しいにせよ、NHTSAによる連邦調査が開始された事実は変わらず、テスラの安全性をめぐる不安が再燃している。犠牲者の遺族による民事訴訟も間もなく提起される見通しだ。

FSDとロボタクシー計画への打撃

今回の調査が特に深刻なのは、テスラの成長戦略の中核を担うFSDとロボタクシーが直接的なリスクにさらされるためだ。マスクCEOはFSDの無監督版を2026年第4四半期に投入する計画を示しており、ロボタクシーサービスもダラスやヒューストンへの拡大を進めている。しかし連邦調査が長引けば、規制当局の承認が遅れ、これらの計画は大幅に後退しかねない。テスラの株価は6月24日だけで約5.8%下落しており、市場がこのリスクを真剣に受け止めていることを示している。

自動運転技術の普及には「安全性への信頼」が不可欠だ。今回の事故とNHTSAの介入は、テスラにとって技術面だけでなくブランドと規制環境の両面でも試練となる。今後の調査結果次第では、業界全体の自動運転開発に影響が及ぶ可能性もある。

参考:Tesla stock falls after NHTSA opens Model 3 crash investigation