3列6人乗りModel Y L、豪・NZで発売 納車は2026年Q2

テスラが、3列シート・6人乗りの大型版「Model Y L」をオーストラリアとニュージーランドで正式に発売した。納車は2026年第2四半期に始まる。通常のModel Yをそのまま伸ばし、後席にもう1列を加えた構成で、家族層やミニバン的な需要を狙ったモデルだ。価格はオーストラリアで7万4,900豪ドル。これまで中国専用とみられていた派生モデルが、いよいよ他国へ広がり始めた。

3列6人乗りに拡張、2列目はキャプテンシート

Model Y Lは、人気SUV「Model Y」をベースに、ホイールベースを延長しルーフラインを後方へ伸ばした派生モデルである。最大の違いは座席配置にある。標準のModel Yが2列5人乗りなのに対し、Model Y Lは3列6人乗りとなる。2列目は左右独立したキャプテンシート(独立シート)を採用し、3列目への乗り降りや居住性を確保した。3列目は5人乗りSUVには無い装備で、ここがファミリー層にとって最大の魅力となる。

座席まわりの快適装備も手厚い。1列目はシートヒーター・ベンチレーション(送風)に加え、電動式の太ももサポートを備える。2列目のキャプテンシートはヒーターとベンチレーション、電動アームレスト、ワンタッチ格納に対応する。3列目もシートヒーター、電動リクライニング、ワンタッチ格納、そして空調用のベンチレーションを備える。3列すべてに温度調整機能が行き渡っている点が、上位モデルらしい仕上がりだ。

WLTP航続681km、装備も上位仕様

走行性能では、駆動方式はロングレンジの全輪駆動(AWD)に一本化されている。航続距離はWLTP(欧州を中心に使われる燃費・航続測定基準)で681kmとされる。0-100km/h加速は約5.0秒、最高速度は201km/hで、車体が大きくなっても俊敏さは保たれている。

車内のテクノロジーも上位仕様だ。メインのタッチスクリーンは16インチ、2列目には8インチのディスプレイを別途備える。オーディオは19スピーカー構成で、遮音性を高めたアコースティックガラス、電子制御ダンパー、アダプティブサスペンションを採用する。さらに、車両から外部機器へ給電できるV2L(Vehicle-to-Load)機能にも対応する。安全面ではANCAP(豪州・NZの新車アセスメント)で5つ星評価を取得し、2列目・3列目向けに追加エアバッグを備える。

外装には新色「Cosmic Silver」、内装には「Zen Grey」テーマが用意され、ホイールは19インチの「Machina 2.0」を組み合わせる。なお現時点でModel Y Lを生産しているのはギガファクトリー上海(Giga Shanghai)のみで、今回のオセアニア向けも同工場からの供給とみられる。

価格設定と今後の市場展開

価格はオーストラリアで7万4,900豪ドル、ニュージーランドで8万3,900NZドル。為替換算ではおよそ7万2,300カナダドル、5万3,100米ドルに相当する。標準のModel Yに対して上乗せ幅はあるものの、3列シートのEV(電気自動車)SUVとしては競争力のある設定といえる。

北米市場については、テスラから正式な投入計画は発表されていない。記事によれば、イーロン・マスク氏が「2026年後半に登場するかもしれない」と述べたにとどまる。米国での生産・販売時期は、現時点で確定情報ではない。

Model Y Lの登場は、世界的なベストセラーであるModel Yの裾野を3列シート市場へ広げる動きだ。これまで中国中心だった大型版がオセアニアへ拡大したことで、欧州や北米への展開にも期待が高まる。3列シートのEVを求めるファミリー層にとって、選択肢が一つ増える意味は大きい。日本を含む各市場でどう広がっていくのか、今後の発表に注目したい。

参考:Tesla Launches Three-Row Model Y L in Australia and New Zealand, Deliveries Start in Q2 2026(Drive Tesla Canada、2026-06-27)