米国の新興電気自動車(EV)メーカー2社が、2026年第2四半期の納車実績を発表した。リビアン(Rivian)は市場予想を上回る1万2194台を納車し、通年の納車見通しを引き上げた。一方のルーシッド(Lucid)は3953台にとどまり、市場予想に届かなかった。同じ新興EVメーカーでありながら、両社の明暗がくっきりと分かれる結果となった。
R2の投入で台数を伸ばしたリビアン
リビアンが2026年第2四半期に納車したのは1万2194台で、市場予想を上回った。この四半期から普及価格帯の新型SUV「R2」の納車が始まったことが、実績を押し上げたとみられる。R2は約4万5000ドルからという価格設定で計画されてきたモデルであり、これまでのリビアン車より手が届きやすい価格帯に位置づけられる。高価格帯の「R1」シリーズが中心だったリビアンにとって、より広い顧客層を取り込む転換点となる車種だ。
好調な納車を受け、リビアンは2026年通年の納車見通しを6万5000〜7万台に引き上げた。新興EVメーカーにとって、生産・納車台数を計画通りに積み上げられるかどうかは、収益改善と資金繰りに直結する重要な指標である。予想を上回る四半期実績と通年見通しの上方修正は、R2の立ち上がりが順調に進んでいることを市場に示す材料となる。リビアンにとってR2は、量産効果によるコスト低減と販売規模の拡大を同時に狙える戦略車種であり、その初期の納車が計画通りに始まった意味は大きい。
規模拡大に苦しむルーシッド
対照的に、ルーシッドの第2四半期の納車は3953台にとどまった。この水準は市場予想を下回るものだった。ルーシッドは高級EVセダン「Air」を中心に展開してきたメーカーで、走行性能や航続距離の高さで評価される一方、販売規模の拡大には課題を抱えてきた。今回の実績は、需要の伸び悩みや生産・販売のペースが依然として限られていることをうかがわせる内容となった。
両社はいずれも、テスラ(Tesla)のような先行するEVメーカーを追う立場にある新興勢力だ。巨額の研究開発費と工場投資を先行させながら、量産による黒字化を目指すという共通の構図に置かれている。そのなかで、普及価格帯モデルの投入によって台数を伸ばし始めたリビアンと、依然として販売規模の拡大に苦しむルーシッドとの間で、足元の勢いの差が浮き彫りになった格好である。特に、より安価なモデルへと製品ラインを広げられるかどうかは、新興EVメーカーが生き残るうえで避けて通れないテーマとなっている。
手頃な価格帯を巡る競争の局面へ
今回の四半期実績は、EV市場が高価格帯の先行者中心の段階から、より手頃な価格帯を巡る競争の局面へと移りつつあることを映している。R2の納車が本格化するリビアンが通年見通しをどこまで達成できるか、そして規模拡大の壁に直面するルーシッドが需要をどう立て直していくかが、次の四半期以降の焦点となる。両社の動向は、EV市場全体の需要と競争の行方を占ううえでも注目に値する。

