WAIC 2026、ヒューマノイド300体超が上海に集結

中国・上海で7月17日から20日にかけて開催された世界人工知能大会(WAIC 2026)は、過去最大規模を記録した。約40万人が来場し、ヒューマノイドロボット300体以上の実演や次世代AIチップ、精巧な動作を見せるロボットハンドなど、中国AIの最前線が一堂に公開された。

過去最大規模の展示と国際機関の設立

今回のWAICには1,117社が出展し、4,486点の製品が展示された。そのうち351点が世界初公開となった。会場面積は10万平方メートル以上に達し、過去最大規模を更新した。習近平国家主席は開幕式で基調スピーチを行い、29カ国の署名により上海を本部とする国際機関「世界AI協力機構(WAICO)」の設立を正式に発表した。テーマは「AIパートナーシップで明るい未来へ」であった。

会場で最も注目を集めたのはヒューマノイドロボットの展示だ。300体以上のロボットがダンス、サッカー、ボディビル、卓球など多彩なパフォーマンスを実演した。ユニツリー(Unitree)はヒューマノイド形態と四足歩行形態を切り替えられる「世界初の乗用変形メカ」GD01を出展した。チーファン(Zhiyuan)のExploration A3 Ultraはフラッグシップ展示の一つに選ばれ、制服姿のロボットが警備・誘導にあたる「ロボット警察官」も登場し、社会インフラへの応用という側面を印象づけた。

巧緻ハンドとAIインフラの競演

ロボットハンドの巧緻性も大きな注目を集めた。各ブースでは漢字の筆記、手延べ麺の製造、羊肉串の調理、水切りといった繊細な作業が実演された。マトリックスロボティクス(Matrix Robotics)が発表したMATRIX-3は27自由度のケーブル駆動式巧緻ハンドと全身分散触覚センシング機能を備える。アギボット(AGIBOT)はA3 Ultra、教育用X2 Edu、産業用G2 Max、ロボットハンドOmniHand 3 Ultra-Mを一挙公開した。上海ヴァイタイテクノロジーは15年の開発期間を経た視覚ベースの触覚センサーを展示した。

AIインフラの分野ではファーウェイが存在感を示した。同社はAscendアクセラレーターを1,024基搭載した「業界最大のAtlas 950 SuperPoD」を展示し、最大50万基まで拡張可能な「世界最大のAI演算クラスター」と位置づけた。ミニマックス(MiniMax)はマルチモーダル対応のフラッグシップモデルM3・H3を発表し、M3を搭載したロボット犬「ダトウBoBo」の実装例も披露した。フーリエ(Fourier)は個人向けデスクトップロボットGR Nanoを発表した。

WAIC 2026は、ヒューマノイドロボットや巧緻ハンドの大規模実演が示すように、中国AIが大規模言語モデルの競争から身体知能(Embodied AI)の実用化へと軸足を移しつつある転換点となった。中国の製造エコシステムの成熟が後押しし、ロボットは工場や倉庫への実装段階に近づいている。計算インフラとロボット技術の両輪で、中国が世界標準を塗り替えようとしている姿が鮮明に示された大会であった。

参考:Inside WAIC 2026: Robot Police, Dexterous Hands, Humanoid Demos