米投資銀行ゴールドマン・サックスが、テスラ(Tesla)の2026年第2四半期(4〜6月期)の納車台数予想を引き上げた。従来の40万5,000台から42万台へと、約1万5,000台の上方修正である。2025年通期の納車が2年連続で前年を下回るなか、足元の需要に持ち直しの兆しが見え始めたことを示すサインとして注目される。投資家にとっては、減速が続いてきたテスラの販売トレンドを占ううえで重要な手がかりとなる。
ゴールドマンが第2四半期予想を上方修正
ゴールドマン・サックスは、テスラの2026年第2四半期の世界納車台数を42万台と見込む。これは従来予想の40万5,000台から引き上げられた数字である。納車台数は、テスラの業績を左右する最も重要な指標の一つだ。四半期ごとに公表され、その内容次第で株価が大きく動くため、市場関係者やアナリストが最も注視する数値といってよい。
今回の上方修正の背景には、テスラがこのところ苦戦を強いられてきたという事情がある。2025年通期の世界納車台数は、約163.6万台と前年から8.6%減少したとされる。これは2年連続の前年割れであり、長らく右肩上がりの成長を続けてきたテスラにとって異例の展開だった。販売台数の伸びこそが同社の高い企業価値を支えてきただけに、連続減少は投資家の懸念材料となっていた。
販売減速の背景にあるEV競争激化
販売減速の要因としては、世界的なEV(電気自動車)市場の競争激化が挙げられる。中国勢を中心とした新興メーカーが低価格帯で攻勢を強め、テスラの主力モデルは価格競争にさらされてきた。加えて、欧米の一部市場では補助金政策の変化や消費者の買い控えも逆風となった。こうした環境のなかで、ゴールドマン・サックスが第2四半期の見通しを引き上げた点は、需要環境がやや改善している可能性を示唆する。
株価は底堅さも、台数の動向が試金石に
一方で、株式市場におけるテスラ株の評価は底堅さも見せている。Yahoo Financeの掲載時点で、テスラの株価は400.49ドルで、前日比1.04%高で推移していた。時価総額は約1兆5,040億ドルに達し、依然として世界有数の規模を保つ。過去1年間の株価リターンは24.36%のプラスとなっており、販売台数の減少局面にあっても投資家の期待が完全には失われていないことがうかがえる。
アナリストの平均目標株価は420.55ドルとされ、現在の株価水準をやや上回る。これは市場が今後の緩やかな上昇余地を見込んでいることを意味する。納車台数という事業の実態と、株価という市場の期待。この両者がどう噛み合っていくかが、今後のテスラを読み解くうえでのポイントとなりそうだ。
ゴールドマン・サックスによる第2四半期予想の引き上げは、2年連続の納車減という逆風のなかで、需要回復の可能性を示す一つの材料となる。ただし、実際の納車台数が公表されるまで、減速トレンドからの本格的な転換が確認されたわけではない。次の四半期決算と納車実績が、テスラの新たな成長局面入りを判断する試金石となるだろう。投資家は引き続き、台数の動きを冷静に見極める必要がある。
参考:Tesla, Inc. (TSLA) Stock Price, News, Quote & History – Yahoo Finance(2026年6月17日)

