BYD海外販売が過去最高、上半期7割増で国内減を補う

中国EV最大手BYDの2026年6月の販売実績が明らかになった。新エネルギー車(NEV)の総販売台数は40万3,472台で、前年同月比5.46%増。数字だけ見れば堅調だが、内訳をたどると景色は一変する。海外向けが過去最高を更新して総販売の43%超を占める一方、お膝元の中国国内は前年比で大きく落ち込んだ。海外の勢いが国内の苦戦を埋め合わせる。BYDの成長構図は、いま明確な転換点を迎えている。

6月販売はPHEVがけん引

6月の総販売40万3,472台は、前年同月比で5.46%増、前月(5月の38万3,453台)比でも5.22%増となった。乗用NEVは39万7,292台で、内訳は完全電気自動車(BEV)が20万1,472台(前年比2.62%減)、プラグインハイブリッド車(PHEV)が19万5,820台(同14.69%増)である。BEVが微減となる一方、PHEVが二桁成長で全体を押し上げた。商用NEVも6,180台と前年比24.67%増と伸びている。

注目すべきは海外と国内の対比だ。6月の海外納車は17万5,349台で、前年同月比94.73%増とほぼ倍増した。総販売に占める海外比率は43.46%に達している。対する中国国内は22万8,123台で、前年同月比22.02%減。前月比では2.39%増とわずかに持ち直したものの、前年からの落ち込みは大きい。海外がほぼ倍増する裏で、国内が2割超縮小するという極端な二極化が起きている。

上半期は海外7割増、国内4割減

四半期でみると、第2四半期(4〜6月)のNEV納車は110万8,048台で、第1四半期比58.19%増と急回復した。ただし前年同期比では3.24%減にとどまる。海外販売は47万1,091台で前年同期比82.46%増、前四半期比でも46.68%増と、四半期ベースでも海外の伸びが際立つ。

上半期(1〜6月)の累計では、この構図がさらに鮮明になる。上半期のNEV総販売は180万8,511台で、前年同期比15.72%減。全体としては前年を下回った。ところが海外納車は79万2,256台に達し、前年同期比70.65%増と大幅に伸びている。海外比率は43.81%まで高まった。一方で国内販売は101万6,255台で、前年同期比39.57%減と約4割も減少した。上半期全体が前年割れとなった主因は、国内市場の大幅な後退にある。

記事は国内販売減の具体的な理由には踏み込んでいないが、背景として中国EV市場の激しい競争を挙げている。中国では多数のメーカーが値下げと新型投入を繰り返し、価格競争が常態化している。世界最大のEV市場であるがゆえに、首位のBYDでさえ国内では消耗戦を強いられているかたちだ。BYDはこの環境下で、成長のけん引役を海外へと大きくシフトさせている。

新型投入と生産体制が海外を下支え

車種面では、6月中旬に「王朝(Dynasty)」シリーズ初のDセグメントSUVとなるフラッグシップ「Da Tang(唐)」を投入した。また生産面では、第1世代から第2世代ブレードバッテリーへの生産移行がおおむね完了し、生産能力の制約が緩和されて納車の加速につながったという。供給体制の整備が、海外向けの伸びを下支えする構図もうかがえる。

BYDの2026年上半期は、海外好調と国内苦戦がはっきりと分かれる結果となった。海外納車が前年比7割増で総販売の4割超を占めるまでに拡大した一方、国内は4割近い減少に沈んだ。今後は海外の勢いが国内の落ち込みをどこまで補い続けられるかが焦点となる。グローバル展開の加速が、BYDの成長エンジンとして定着するのか。下半期の実績が、その持続性を測る試金石になりそうだ。

参考:BYD June Sales Climb as Record Overseas Demand Offsets Weak China Market(Electric Cars Report、2026年7月1日)