ヒューマノイドロボットメーカーのAgility Roboticsが、SPACを通じて上場することを発表した。企業価値は約25億ドルと評価され、調達額は6億2000万ドル超とヒューマノイドロボット業界史上最大規模の資金調達となる。
産業用途に特化したDigitロボット
同社のCEOはPeggy Johnsonで、マイクロソフト出身で後にMagic LeapのCEOを務めた人物だ。Agility Roboticsが手がける二足歩行ロボット「Digit」は身長約175cm・体重約73kgで、倉庫や工場での作業に特化している。すでにAmazonやGXO Logistics、トヨタ自動車カナダ工場など複数の大手企業に導入されており、ロボット・アズ・ア・サービス(RaaS)モデルで3億ドル超の複数年契約を確保している。
家庭向け普及は「10年以上先」
Johnson CEOは家庭向けロボットの普及については「10年以上先」と明言し、「犬や赤ちゃん、来客がいる家庭環境はカオスだ」と説明する。同社の当面の競合は「自分たち自身の実行速度」だと語り、産業用途への集中を強調した。ヒューマノイドロボット業界ではFigure AIが390億ドル超の評価額を得るなど熱狂的な資金流入が続く一方、Agility RoboticsはIPOという形で市場からの評価を受けることになる。米国内には肉体的に負荷の高い作業の未充足求人が100万件以上あるとされており、産業用ロボットへの需要は現実的かつ着実に拡大している。
過熱する業界で着実な路線を選択
上場によって得る資金を武器に、同社はDigitのさらなる量産と展開加速を目指す。消費者市場への夢よりも、今ある仕事を着実にこなすという姿勢が、過熱気味のロボット業界の中では逆に説得力を持つ。

