Starship飛行13、7月16日予定 V3で初の衛星20基搭載へ

スペースXの巨大ロケット「Starship(スターシップ)」の13回目の飛行試験が、2026年7月16日に予定されている。今回は最新型のStarship V3としては2回目の飛行にあたる。注目すべきは、V3で初めて実際のペイロード(積み荷)を搭載する点だ。次世代のスターリンク(Starlink)衛星20基を積み込み、宇宙空間での配備や通信を試みる。日程は変更され得るものの、開発が新たな段階へ進む節目となる飛行だ。

7月16日打ち上げ予定、機体はShip 40とBooster 20

飛行13は、日本時間で7月17日早朝(協定世界時7月16日22時45分)に、テキサス州のスペースX拠点「スターベース」にある第2発射台からの打ち上げが計画されている。機体はStarship V3の「Ship 40」、下段ブースターは「Booster 20」を使用する。当初は7月14日の打ち上げ枠が検討されていたが、24時間ずつ2回延期され、現時点では7月16日で「GO(実施可能)」の判断が示されている。ただしロケットの打ち上げは天候や機体の状態で前後しやすく、あくまで予定であることには留意したい。

V3で初の衛星搭載、スターリンク20基を配備

今回の最大の見どころは、V3として初めて衛星を搭載する点である。搭載されるのは次世代のV3スターリンク衛星20基だ。これらは宇宙空間で太陽電池アレイとアンテナを展開し、高速レーザー通信によって地上局や既存のスターリンク衛星群との接続を試みるという。地上局には南アフリカの施設が挙げられている。スターリンクはスペースXが展開する衛星インターネットサービスで、すでに多数の衛星が地球低軌道を周回している。より大容量なV3衛星をStarshipで一度に多数打ち上げられるようになれば、通信網の増強が一気に進む可能性がある。今回はその第一歩となる実証試験だ。

耐熱シールドをカメラで直接観察

もう一つの重要な試験項目が、機体の耐熱シールド(ヒートシールド)の検証である。Starshipは大気圏への再突入時に激しい高温にさらされるため、機体表面を覆う耐熱タイルの性能が飛行の成否を大きく左右する。今回搭載される20基の衛星のうち6基には特殊なカメラ群が搭載されており、Starshipの耐熱シールドをスキャンして、その映像を運用チームへ送信する役割を担う。さらにスペースXは、機体のタイルの一部をあえて白く塗り、タイルが欠損した状態を模擬しているという。この白いタイルはカメラが撮影する際の目印(撮影ターゲット)として機能し、再突入時にシールドがどう挙動するかを詳しく観察できるようにする狙いがある。実際の破損を意図的に再現して検証する、実践的な試みだ。

今回の飛行13は、軌道投入を目指すものではなく、機体性能の確認と衛星配備能力の検証を主眼とした準軌道(サブオービタル)飛行と位置づけられている。ブースターは打ち上げ後、メキシコ湾への着水が計画されている。直近の飛行12は2026年5月22日に実施され、成功を収めたとされる。この飛行がV3型の性能を測る基準となり、飛行13はそこにペイロード搭載という新たな試験を積み重ねる形となる。なお、ラプターエンジンの搭載基数や飛行時間、ブースターの詳細な着水地点といった具体的な数値は、今回確認できた情報の範囲では明らかにされていない。

Starshipは、将来的に人類を月や火星へ送ることを見据えてスペースXが開発を続ける、完全再利用を前提とした超大型ロケットである。今回の飛行13では、V3型で初となる衛星の搭載と配備、そしてカメラによる耐熱シールドの直接観察という、実運用に一歩近づいた試験が並ぶ。衛星をStarshipで打ち上げる体制が整えば、スターリンク網の拡張は加速するだろう。日程はなお流動的だが、開発の現在地を示す注目の一戦となりそうだ。

参考:Starship Flight 13 – Space Launch Live(2026年7月10日)