米EV販売がQ2に反発、控除失効後で最高水準に

連邦EV税額控除の失効で急落した米国のEV市場が、2026年第2四半期(Q2)に反発した。販売台数は24万7226台と前四半期比プラス14.2%を記録し、控除終了後で最高の水準に戻した。前年同期比では依然2割超のマイナスだが、調査会社は「予想された調整局面を経て市場は安定しつつある」と分析する。急減から底打ちへ、潮目が変わりつつあるのかもしれない。

駆け込み需要の反動から底打ちへ

米国では連邦政府が新車EV購入者に最大7500ドルの税額控除を提供してきたが、この制度が2025年9月に失効した。失効直前の駆け込み需要は凄まじく、2025年第4四半期(Q4)の販売は43万7487台という記録的な数字に達した。しかし反動は大きく、2026年第1四半期(Q1)は21万6399台まで落ち込んだ。前の四半期からおよそ半減した計算になる。

当ブログでも7月9日に、税額控除の失効後に新車EV関連の支出が58%減ったとするCanary Mediaの記事を紹介した。今回のInsideEVsの報道は、その「急減」の続きにあたる「回復」の局面を伝えるものだ。Q2の24万7226台は、Q1の底からしっかりと戻したことを示している。前年同期(2025年Q2)比では20.5%減と、控除があった時期の勢いにはまだ届かない。それでも、制度という追い風を失った市場が自律的に持ち直し始めた点に意味がある。

テスラがけん引、日本勢も急拡大

回復をけん引したのは、やはりテスラだ。Q2の販売は12万4800台で前四半期比プラス6.4%。車種別でもモデルYが8万4863台、モデル3が3万4944台と、上位2台をテスラが独占した。ブランド別ではシボレーが1万4908台、ヒョンデが1万4274台、キャデラックが1万2216台と続く。キャデラックは前四半期比プラス27.9%と伸びが目立った。

注目すべきは日本勢の動きである。トヨタはQ2に1万1826台を販売し、前年同期比で225%増という急拡大を見せた。EV「bZ」シリーズは7524台で車種別ランキング4位に入り、ヒョンデ・アイオニック5(1万940台)に迫る。フォード・マスタング マッハEも7032台で5位につけた。テスラ一強の構図は残るものの、手頃な価格帯のモデルが選択肢を広げ、市場全体の底上げに寄与している。

補助に頼らない市場の自立が問われる

調査会社コックス・オートモーティブは、回復を支える要因として新型モデルの投入、州レベルの購入支援策、拡充が進む公共充電網、そして政策の逆風下でも根強い消費者の関心を挙げる。加えて、ガソリン価格の高止まりがハイブリッド車の販売を押し上げているとも指摘する。EVそのものだけでなく、電動化全体への需要が広がっている構図だ。

「底打ち」という言葉が持つ意味は大きい。税額控除という強力な補助がなくなれば、EV市場は失速し続けるとの見方もあった。しかしQ2の反発は、価格や充電インフラといった実力面での成熟が需要を支え始めたことを示唆する。日本でも補助金の増減が販売を大きく左右してきただけに、補助に頼らない市場の自立という論点は他人事ではない。今後、この回復が一時的なものか本格的な上昇トレンドの起点かは、次の四半期の数字が試金石となる。

参考:US EV Sales Rebounded In Q2 To Highest Level Since Tax Credit Died(InsideEVs, 2026-07-08)