テスラがサイバーキャブの社員向けライドをGiga Texasで「まもなく開始する」と発表した。しかしElectrekの分析によれば、この発表は重要な詳細を欠いており、量産と自律走行技術の準備状況との間には大きな乖離があると指摘されている。
発表の内容とその曖昧さ
テスラのロボタクシー公式アカウントは、Giga Texas構内の出荷ヤードをゴールド色のサイバーキャブが自律走行する動画を投稿した。テスラの本アカウントはこれを引用し、「Giga Texasでのサイバーキャブの社員ライドをまもなく開始する」と投稿した。
しかしこの発表には2つの解釈が成り立つ。楽観的なシナリオでは、サイバーキャブがGiga Texasの広大なキャンパス内を走る社員送迎シャトルとして機能することになる。最小限のシナリオでは、「社員ライド」が駐車場内の数百フィートのループ走行を指すだけであり、他の自動車メーカーならニュースにもならない内容に過ぎない。
ハードウェアとソフトウェアの乖離
テスラが直面している本質的な問題は、製造速度と自律走行ソフトウェア(FSD)の開発速度の乖離である。完成済みのサイバーキャブが100台以上Giga Texas構内に停車しているにもかかわらず、安全に展開できる状態にはない。
サイバーキャブはステアリングホイールもペダルも持たない設計であるため、自律走行システムに障害が発生した場合に人間が手動で操作することができない。テスラが現在オースティンで運行している監視員付きのModel Yロボタクシー約50台は、人間ドライバーと比較して4倍高い事故率を記録しているとも報告されている。
競合との差と今後の課題
ウェイモ(Waymo)はすでに複数の米国都市で、完全無人・有料の自律走行ライドサービスを大規模に展開しており、テスラのサービス開始タイムラインはこれに大きく後れを取っている。いずれのシナリオにせよ、今回の「社員ライド」はEVファンが真に望む、オースティン一般市民が乗車できる有料のサイバーキャブサービスとは根本的に異なる。テスラが量産ペースを維持しながら自律走行ソフトウェアの信頼性をどれだけ速く高められるかが、今後の最大の焦点となる。
参考:Tesla Cybercab: Mass-Producing a Car Before Autonomy Is Ready

