テスラのロボタクシーで、遠隔オペレーターが運転している最中に起きた衝突が、新たに2件明らかになった。米道路交通安全局(NHTSA)に提出された資料に記載されていた。Electrekの集計では、この種の事例はこれで5件になる。同誌によると、遠隔操作に切り替わった例は、すべて衝突に至っているという。新規2件はいずれも物損のみで、乗客はいなかった。
2026年8月にダラスとオースティンで発生
NHTSAは、自動運転システムを搭載した車の衝突を報告させる「常設一般命令(SGO)」を運用している。テスラの最新の報告には、2026年8月に起きた2件が加わった。どちらも9月のSGO公開分で確認できる。
1件目はダラスの住宅街だ。Model Yが生コン車と駐車中のSUVの間に挟まれて止まった。テスラの記述によると、遠隔サポートのオペレーターが操作を引き継いだ。前進する際に、SUVへ時速約0.40マイル(約0.64km/h)で接触したという。
2件目はオースティンの路地だ。片側に電柱、反対側にゴミ収集容器がある道を、遠隔オペレーターが操作するModel Yが直進していた。車は容器に時速約1マイル(約1.6km/h)で衝突した。
過去の3件と報告件数の推移
2件とも、運転者区分はテスラが「Remote(Commercial / Test)」と分類している。この区分で報告された最初の事例は、2026年5月のヒューストンでの切り株との衝突だった。5件のうち3件が、正式に遠隔操作として分類されたことになる。
残る2件は、テスラが2026年5月に報告書の記述の黒塗りを外した際に判明した。1件は2025年7月のオースティンだ。安全モニターが車を発進させられず、遠隔オペレーターが引き継いだ。加速して左折し、縁石に乗り上げて金属のフェンスに時速8マイル(約12.9km/h)で衝突した。
もう1件は2026年1月のオースティンだ。ナビゲーション支援のため引き継いだ遠隔オペレーターが、工事用バリケードに時速9マイル(約14.5km/h)で突っ込んだ。
テスラのロボタクシーに関する固有の事故報告は、現在36件ある。Electrekが前回確認した2026年7月時点では22件だった。出典には、今回の件に関するテスラの新たなコメントはない。テスラは遠隔オペレーターの介入頻度を公表していない。このため、事故率は算出できない。
ウェイモとの比較とElectrekの指摘
比較対象として、ウェイモ(Waymo)は2026年2月、エド・マーキー上院議員への書簡で、人が運転操作を行う遠隔運転は使っていないと説明している。遠隔スタッフが与えるのは助言だけで、車載システムが受け入れるか拒否するかを決める。例外は、訓練を受けた担当者が停止した車を時速2マイル(約3.2km/h)で前へ動かす機能だ。ウェイモは、訓練以外で使ったことはないとしている。
Electrekは、事故の重大性は問題の本質ではないと指摘している。ロボタクシーはすでに低速の一般道に限定され、遠隔操作中はさらに速度が低いとみられるためだ。同誌が問題視するのは、人の救援がどれだけ頻繁に必要になるか、その救援がどれほどうまくいっていないかである。
今回の2件は、いずれも低速で物損にとどまった。ただしテスラは介入の頻度を明らかにしておらず、外部からは実態を測れない。Electrekは、遠隔操作を自動運転の中で語られにくい部分と位置づけ、遅延や限られた視界、車の感触がない点を課題に挙げている。
参考:Tesla remote operators keep crashing its 'Robotaxis,' data shows

