Figure AI、Figure 03をBMW工場に本格導入——2026年はヒューマノイド元年

人型ロボット(ヒューマノイドロボット)の実用化が、2026年に大きな転換点を迎えている。Figure AIは最新モデル「Figure 03」をBMWのスパルタンバーグ工場(サウスカロライナ州)に本格導入し、製造現場での商用展開を着実に進めている。

Figure AIのFigure 03、BMW工場で本格稼働へ

Figure AIは2025年の資金調達ラウンドで評価額390億ドル(約5.6兆円)に達した注目のスタートアップだ。Figure 03は部品の取り扱いや組み立て作業、汎用的なマニピュレーション(物体操作)を得意とする。BMWスパルタンバーグ工場では試験運用から本格的な部品取り扱い業務へと移行しており、同社は2026〜2027年にかけて物流・製造業の顧客向けに展開を拡大する計画だ。

2026年3月にはホワイトハウスのAI・教育関連イベントでも取り上げられ、テクノロジー界を超えた社会的な注目を集めた。単価は1台あたり10万〜20万ドル(約1,400万〜2,800万円)と業界では推計されている。

テスラ・ボストン・ダイナミクスも商用展開を本格化

同時期に、ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)の電動Atlasロボットも初期展開を開始した。「電動式・エンタープライズグレード・工業環境での信頼性重視」を掲げるこのモデルは、親会社である現代自動車(Hyundai)が最初の導入顧客として名乗りを上げている。単価は15万〜25万ドル(約2,100万〜3,500万円)と見られている。

テスラ(Tesla)のOptimus Gen 3も2026年夏から限定生産に入り、フリーモント工場への初期配備が始まった。将来的な量産時の価格は2万〜3万ドル(約280万〜420万円)と予測されており、実現すれば業界全体の価格水準を大きく引き下げる可能性がある。

現時点での能力限界と今後の展望

現時点で人型ロボットが確実にこなせる作業は、部品の取り扱いや単純な組み立て、基本的な工具使用などに限られる。複雑な多工程の組み立てや、雑然とした環境での自律的な移動といった高度な能力は、実用化まで12〜24カ月程度かかるとみられている。エンタープライズ向けロボットのコストは現在1台あたり10万〜30万ドルに及び、導入時には相当規模のシステム統合エンジニアリングも必要となる。

2026年は人型ロボットが工場フロアへ本格投入される元年となる可能性が高い。Figure AIのBMW工場連携が深まれば、ロボット活用のビジネスモデルは急速に広がっていく。テスラによる低価格化の動きと合わさり、製造現場の自動化は新たな段階へと踏み込もうとしている。中小企業がこうした技術を活用できる環境が整うにはまだ数年を要するが、その未来はすでに射程圏内に入っている。

参考:Humanoid Robot Workforce Deployment 2026