テスラの完全自動運転(FSD)「FSD(Supervised)」が、チェコで認可された。チェコ運輸省は2026年9月21日、オランダ当局RDWの暫定型式承認を認める判断を下した。EU加盟国としては7か国目で、無線更新(OTA)による配信も近く始まる見込みだ。当初は慎重だったチェコが方針を転換した背景と、今後の焦点を整理する。
チェコが暫定型式承認を相互承認
チェコ運輸省は、オランダ当局RDWが出した暫定型式承認を相互に承認した。RDWはオランダの車両認可を担う規制当局である。ある加盟国の承認を他国が認める形で、欧州でのFSDの展開が広がっている。
チェコは2026年前半には、オランダの4月の承認を自動的には認めない姿勢を示していた。理由として挙げたのは、制限速度の順守、交通標識の認識、ドライバーの注意監視への懸念である。EU全体で足並みをそろえた対応を望む考えも示していた。
その後、運輸省は数か月にわたり専門家による分析を進め、テスラとも協議した。すでにシステムが稼働している国の実走行データも確認し、懸念は解消されたと判断した。同省は声明で「安全が最優先事項であることに変わりはない」と強調している。
FSD(Supervised)はレベル2の運転支援システムである。ドライバーは常に運転に関与する必要があり、法的責任も負う。対象車両は、テスラの最新世代のハードウェアであるAI4を搭載した車両だ。テスラはこれまでの各国承認後と同様に、OTAで機能を配信する計画である。
欧州での承認の経過
欧州での承認の経過は次のとおりだ。RDWは2026年4月10日にEUの暫定型式承認を出した。その後、リトアニア(5月20日)、エストニア(5月29日)、デンマーク(6月9日)、ベルギー(6月10日)、スロベニア(9月7日)が続いた。チェコの承認で、この最初のグループは7か国になった。
焦点は10月6日の委員会投票
今後の焦点は、10月6日に予定されているEUの自動車技術委員会の投票である。可決には、加盟27か国のうち15か国以上、かつEU人口の65%以上を占める特定多数の賛成が必要だ。この投票の結果次第で、ドイツ、フランス、イタリア、スペインといった大きな市場への展開が左右される可能性がある。
チェコの承認により、FSD(Supervised)を認めたEU加盟国は7か国となった。チェコは懸念を示していた立場から、追加の分析と実走行データの確認を経て承認に転じた。次の分岐点は10月6日の委員会投票で、加盟27か国のうち15か国以上、かつEU人口の65%以上の賛成が得られるかどうかが焦点となる。チェコでのOTA配信は近く始まる見込みである。
参考:Tesla Full Self-Driving expands to another European country

