テスラ、サイバートラック生産を2027年半ばに終了へ
テスラのイーロン・マスクCEOが、サイバートラックの生産を2027年半ばごろに終了すると明らかにした。初の納車から約3年半での幕引きだ。理由は「サイバーキャブの増産のため」というが、米メディアのElectrekは、販売が計画のおよそ1割にとどまっていることが背景だと指摘している。
生産終了の発表と販売の実態
マスクCEOは11月6日、Xで、ギガファクトリー・テキサスでのサイバートラック生産を2027年半ばごろに終えると投稿した。「サイバーキャブの生産拡大の余地をつくる」との説明だが、在庫の販売期限や既存オーナーへの部品供給・整備には触れていない。
テスラはサイバートラックの販売台数を単独では公表していない。2026年第3四半期の「その他モデル」の納車は8,295台で、前年同期比48%減だった。Electrekは、モデルSとXの生産が4月に終わっていることから、うち7,000〜8,000台がサイバートラックだったと推計する。
この推計だと年間販売は約3万台で、当初の年産計画25万台の約12%、設置済みの生産能力12万5,000台超の約4分の1にすぎない。コックス・オートモーティブによる米国販売は、2024年第3四半期の1万4,416台から、2026年第2四半期には3,744台まで減った。
購入の偏りもある。S&Pグローバル・モビリティによると、2025年第4四半期にスペースXが1,279台を購入し、マスク氏の企業群の購入は同四半期の米国登録台数の約19%を占めた。こうした購入がなければ、もっと早く販売終了になっていた可能性が高いとElectrekはみる。
需要喚起策と「場所の問題」への異論
テスラは2025年に価格を抑えた後輪駆動モデルを投入したが、数か月後に取り下げた。2026年夏には廉価なデュアルモーター仕様を加え、8月には5,000ドル値上げして74,990ドルからとしたが、販売改善にはつながらなかった。欧州や多くの右ハンドル市場では販売できていない。
「場所の問題」という説明にも異論がある。サイバートラックのラインは、1,000万平方フィート超あるギガファクトリー・テキサスの設置能力の約4分の1しか稼働していない。サイバーキャブは「アンボックス」と呼ぶ独自工程の別ラインで造られるため、床面積を奪い合わないとElectrekは述べる。
採算と今後
ステンレス製ボディや専用鋳造部品、専用のサプライチェーンは、年3万台規模では維持費が重い。Electrekは、年25万台前提の部品契約や12万5,000台規模のラインを含め、損失は数十億ドルに及ぶ可能性があるとみる。
ステアバイワイヤや後輪操舵など、運転面では評価が高かった車種である。在庫販売の期間や既存オーナーへの対応は未発表で、続報が待たれる。
参考:Tesla to end Cybertruck production as sales stall at ~10% of plan