AI・ロボット

CrowdStrike調査、AIエージェント侵入が自社集計で約3倍

セキュリティ企業のクラウドストライク(CrowdStrike)が、AIエージェントを使って侵入を行う攻撃者4組の活動を公表した。高度な仕組みがなくても、エージェントに任せて多数の組織へ入り込めることが分かったという。同社の集計では、こうした侵入は2026年下半期に上半期の約3倍となった。

調査の概要

クラウドストライクは、AIエージェントが判断とコマンド実行を担う攻撃を行った未報告の4組を調べた。エージェント型AIとは、目標を与えると自ら手順を選び、ツールを操作するAIのことだ。侵入とは、許可なく他者のネットワークに入り込む行為である。4組は攻撃用の仕組みを公開ディレクトリに露出させており、それが実態把握につながった。

約3倍という数字は同社自身のデータに基づくもので、第三者による独立した検証を経たものではない。

4組の攻撃者

1組目はスペイン語と英語を使う。オープンソースのPentestGPTを改造し、監督役のClaude Codeが次の作業を選び、実行役のエージェントが動く構成を作った。アルゼンチンの医療機関の少なくとも15組織に侵入し、少なくとも1か所で認証情報と医療記録を盗んだ。

2組目は中国語話者だ。自律の度合いが異なる2種類の仕組みを使い分けた。一方は偵察を決まった手順で行い、他方ではClaude Codeが標準作業手順に沿って単独で動くか、専門エージェントに作業を任せた。標的は2か国の政府機関と、ブラジルと米国の民間企業だった。

3組目はインドネシア語話者で、4組で最も技術力が低い。公開リポジトリ由来の819個の「スキル」(作業手順の部品)をClaude Codeに読み込ませたが、安全対策を越えるため攻撃者が定期的に介入していた。標的はインドネシアの政府ドメインなどだ。

4組目はロシア語話者で、仕組みは簡易である。7段階の作業手順を与え、攻撃手法の選択をほぼ全面的に任せた。米国の事業者から企業顧客データを盗み、複数国の民間企業や政府機関にも侵入した。記事は、サイバー犯罪の関係者である可能性が高いと伝えている。国家などへの帰属は、出典では行われていない。

CrowdStrikeの分析と見通し

クラウドストライクは、攻撃を大規模化する際の最大の制約は技術的な複雑さではなく、トークン予算だと分析する。トークンとはAIの利用量の単位で、費用の上限にあたる。推論コストの低下と、AIが扱える情報量(コンテキストウィンドウ)の拡大で、この制約は弱まるとみている。

今後12か月について、同社は件数と高度さの増加がほぼ確実だと予測する。経験の浅い攻撃者でも、洗練された犯罪組織や国家支援型グループに並ぶ能力を得られるようになると、同社はみている。防御側には、体制の迅速な近代化を求めており、具体的な対策は同社の完全版レポートに記載されているという。

参考:Agentic AI helps hackers level up, even without detailed instructions