イーロン・マスクとドナルド・トランプ米大統領の公開対立が2026年6月初頭に勃発し、テスラ(Tesla)株が1日で14%急落する事態となった。2024年の大統領選でトランプを支援し、政府効率化局(DOGE)を共同主導してきた盟友関係は、わずか半年余りで決裂した。
DOGE離脱から公開対立へ
マスクは130日間にわたりDOGEを率いたのち、2026年5月30日にトランプとの合同記者会見で退任した。表向きは円満な別れだったが、その直後から亀裂が表面化する。マスクはトランプ政権の予算案「ビッグ・ビューティフル・ビル」が米国の財政赤字を大幅に拡大させると公然と批判し始めた。
6月4日、対立が本格的に公になると、テスラ株は同日だけで約14%下落した。翌6月5日にはSNS上での舌戦に発展し、マスクは「トランプは私なしでは選挙に勝てなかった」と主張。これに対しトランプは「DOGEでマスクの補助金を調べるべきかもしれない」と示唆し、スペースXやテスラが受け取る政府契約・補助金への調査をちらつかせた。
スペースX上場直後という最悪のタイミング
この対立が特に注目されたのは、スペースXがナスダックに上場(6月12日)した直後というタイミングだ。政府契約への依存度が高いスペースXにとって、政権との関係悪化は事業リスクに直結する。マスクの各社はNASA、国防総省、その他連邦機関との大型契約を抱えており、政治的な対立が実際の調達見直しにつながれば影響は計り知れない。
マスクとトランプの関係は選挙後、政策面での親密さを演出してきたが、根底にある利害対立は常に存在していた。財政・規制をめぐる今回の衝突は、その矛盾が表面化した形だ。今後の動向は、テスラ・スペースXの両社に対する市場評価にも影響を与え続けるとみられる。
参考:Tesla stock price tumbles as the Big Beautiful Bill reignites public feud

