6月のIPOで史上最大規模の750億ドルを調達したSpaceXが、ロケット企業の枠を超えた「宇宙からのAI株」として注目を集めている。アナリストは同社の総市場機会の9割以上をAI関連と位置づけており、Starlinkの衛星通信網とAI部門「SpaceXAI」が、自律走行や企業向けAIサービスの基盤として機能し始めている。
Starlinkは自動運転のデータ基盤として公認済み
注目すべきは、SpaceXのStarlink衛星通信サービスがすでに自動運転車のデータバックボーンとして規制当局に承認されている点だ。地上インフラに依存しない衛星通信は、都市部から地方まで均一な接続品質を提供できるため、完全自動運転の実用化に向けた重要なインフラとなりえる。テスラのFSDやロボタクシーがStarlinkと統合される可能性も指摘されており、マスク傘下の2社が生態系を形成しつつある。
SpaceXAIがAIスタートアップと月150億円の大型契約
SpaceXのAI部門であるSpaceXAIは6月22日、AI新興企業「Reflection AI」に対して2029年まで月1億5,000万ドル(約220億円)規模のAIコンピューティングリソースを提供する契約を締結した。これはSpaceXAIが単なる社内インフラにとどまらず、外部のAI企業にも計算能力を販売する「AIクラウド」として事業を確立しつつあることを示す。同社のIPOで調達した資金の大半もこのAI事業拡大に充当される見込みだ。
SpaceXはロケット・Starlink・AIの3本柱で2025年に187億ドルの収益を上げており、そのうちStarlinkが69%、AIが17.5%、ロケットが13%を占める。xAIとの合併後は、マスクのAIエコシステムが宇宙・地上・車内にまたがる巨大なプラットフォームへと進化する可能性がある。かつては「ロケット会社」と見られていたSpaceXが、今や最もホットなAIインフラ銘柄の一つとして市場の視線を集めている。

