テスラのOptimus AIシステム開発に約3年間携わったRémi Cadène氏が、ヨーロッパ発のヒューマノイドロボットスタートアップ「UMA Robotics」を設立した。ヒューマノイド分野での人材獲得競争が激化する中、注目の起業案件として話題を集めている。
テスラ出身研究者がLeRobotを経て起業
Cadène氏は2024年初頭にテスラを退職後、Hugging Faceでオープンソースロボティクスライブラリ「LeRobot」を開発。1年以内にGitHubスター数1万2,000超を獲得するなど、ロボティクスコミュニティで強い存在感を示した。UMAは2025年12月にステルスから姿を現し、現在はパリを拠点に活動している。共同創業者にはHugging FaceエンジニアのSimon Alibert氏、デザイナーのRob Knight氏らが名を連ねる。投資家にはYann LeCun氏、DatadogのCEO Olivier Pomel氏、Hugging Face共同創業者のThomas Wolf氏といったテック界の著名人に加え、Greycroft・Relentless・Unity GrowthなどのVCも参加している。
欧州の産業構造を狙うロボット「Northstar」
同社のロボット「Northstar」は欧州の製造工場・物流倉庫、将来的には住宅用途を想定した軽量設計のヒューマノイドである。欧州特有の高齢化する労働力・高い人件費・密度の高い産業基盤を好機と捉え、米中競合他社とは一線を画す戦略をとる。すでに50社の潜在顧客と交渉中としており、2026年中の有償パイロット獲得が当面の焦点となる。現時点で出荷可能な製品はなく、資金・チーム・顧客パイプラインをいかに実績に変えるかが問われる段階だ。
テスラOptimusは量産準備中も課題山積
テスラ側では、OptimusのFremont工場での量産が2026年7月末〜8月を目標とすると報じられているが、マスク氏自身が「初期生産量は極めて少ない」と認めており、1万点超のユニーク部品数が課題として残る。FigureやBoston Dynamicsが具体的な商用展開を先行する中、ヒューマノイドロボット市場は技術・資金・人材のすべてで競争が加速している。UMAのような欧州発プレイヤーの台頭が、今後の勢力図に新たな変数をもたらしそうだ。
参考:Ex-Tesla Optimus Scientist Unveils European Humanoid Robot Startup UMA Robotics

