Tesla Cybercab、無人走行はWaymoの0.2%未満

Teslaは9月3日、ロボタクシー「Cybercab」サービスに関する発信を行ったが、公開されたのはわずか51秒の動画のみだった。同社が未来の柱と位置づけるロボタクシー事業だが、実際にはライバルのWaymo(ウェイモ)に規模・実績の両面で大きく水をあけられている実態が改めて浮き彫りになった。

Teslaは同日、X(旧Twitter)に投稿した動画で、オースティンの街路を走るCybercabと、アプリで配車を呼ぶ利用者の様子を示した。しかし走行台数や対応エリアの拡大計画など、具体的な情報は限定的だった。

Waymoとの差は数字が物語る

数字で見るとWaymoとの差は歴然としている。Waymoは3月時点で月間500万回の配車を提供し、14都市でサービスを展開する。2018年以降の無人走行実績は累計2億2000万マイルに達する。一方Teslaの無人走行実績は累計38万マイルにとどまり、Waymoの0.2%にも満たない。対応地域もテキサス州とフロリダ州の6都市に限られている。

イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はかつて、2025年までに米国人口の半分にロボタクシーを提供できると予測していたが、この目標は達成されていない。Tesla株はここ半年で7%上昇したものの、年初来では20%以上下落している。

専門家が指摘するコスト構造の壁

専門家は技術面よりもコスト構造に根本的な課題があると指摘する。スタンフォード大学のブライアント・ウォーカー・スミス氏は、Uberのドライバーが実質的に最低賃金を下回る対価で稼働する一方、WaymoやTeslaは車両維持や運用に伴う実際のコストを負担しなければならない矛盾を指摘した。加えて、一般消費者が自家用車の所有をやめてライドシェアに完全移行する見込みは薄く、既に競争が激しい市場でシェアを奪うことも容易ではないという。

重要なのは、WaymoもTeslaも自動運転タクシー事業の財務成果を公表していない点だ。Waymoを含むAlphabetの「その他の賭け」部門は今年上半期に39億ドルの赤字を計上しており、業界全体として採算が取れる事業モデルはまだ確立されていない。

Teslaは今後もCybercabの展開拡大を進める方針だが、Waymoとの実績差は依然大きい。ロボタクシー市場は各社が投資を続ける一方、収益化の道筋を示せた企業はまだない。今後の焦点は、各社がどのようにコスト構造の課題を克服し、事業として成立させるかに移りそうだ。

参考:Tesla keeps hyping robotaxis as its future. But it's trailing rival Waymo in a field yet to prove profitable