イーロン・マスク氏がG20(主要20カ国・地域)のイノベーション担当閣僚会合で発言した。今後10年以内に人型ロボットが10億台規模で稼働するとの見通しを示したという。ロボット1台あたりの生産性は人間の5倍以上になるとも述べ、経済への影響の大きさを強調した。
「10年以内に10億台超」との予測
マスク氏は2026年9月1日、米ノースカロライナ州チャペルヒルからオンラインで会合に参加し、AI(人工知能)とロボット産業の将来について発言した。同氏によると、10年以内に人型ロボットの稼働台数は10億台を優に超える見込みだという。
マスク氏はさらに、1台の人型ロボットが人間1人と比べて少なくとも5倍の生産性を持つとの見方を示した。この数字は控えめな見積もりだとした上で、10億台規模の人型ロボットは人類全体の生産量を上回る可能性があると述べた。
自己複製する製造業の新時代
背景にあるのは、ロボットがロボット自身を製造するという「再帰的な効果」だ。マスク氏は、この仕組みは最初こそ緩やかに進むものの、やがて指数関数的に加速していくと説明した。いわば自己複製的な製造業の新時代が到来するとの見立てである。
マスク氏は、人型ロボットの実用性を左右する要素として3つを挙げた。AIソフトウェアの性能、半導体(チップ)の能力、そして電気機械的な器用さ(特に「手」の性能)である。これらはそれぞれ指数関数的に向上しており、掛け合わさることで爆発的な生産性の伸びにつながるという。
経済効果は「桁外れの数字」になり得るか
経済規模への影響についても言及した。マスク氏はAIが世界経済に年間20兆〜30兆ドル程度(成長率にして約20〜30%相当)を押し上げる可能性があると見積もった。その上で、ロボット産業についてはその効果を10倍以上に拡大しうる「桁外れの数字」になり得ると述べた。
ただし同氏は、物理的な技術の実装はデジタル分野の技術ほど速く進まないとも指摘した。サプライチェーンの複雑さや、実際に「大量の物」を動かす必要があることが理由だという。
マスク氏の発言はあくまで本人の予測であり、実現するかどうかは今後の技術進展次第だ。人型ロボットの量産や普及がどこまで現実になるか、今後の動向が注目される。

