テスラ、Model S工場をOptimus生産へ転換

テスラが、人型ロボット「Optimus(オプティマス)」の量産に向けて大きく舵を切る。10年以上にわたり高級セダン「Model S」を生産してきたカリフォルニア州フリーモント工場のラインを、ロボット生産用に転換する計画が明らかになった。最新世代「Gen 3」は同社初の量産前提の設計で、2026年内の生産開始を目指す。

Model Sラインをロボット工場へ

報道によれば、テスラは2026年にModel SとModel Xの生産を段階的に縮小し、その実績あるフリーモントの自動車ラインをOptimus製造へと振り向ける。さらにテキサス州のギガファクトリーには、ロボット専用の新工場も並行して立ち上げる構えだ。

進化した「手」と量産目標

Gen 3で最も進化したのが「手」である。手の自由度は従来の11から22へと倍増した。指を動かすアクチュエーター(駆動装置)は前腕部に約25基ずつ、両腕で計約50基を配置する。モーターを手に内蔵するのではなく、前腕のモーターから腱(ケーブル)を介して指を動かす方式を採る。これにより手は軽く素早くなり、放熱や組み立ても容易になるという。

生産規模の目標は野心的だ。フリーモントでまず年産最大100万体を見込み、将来的にはテキサス工場で年産1,000万体規模まで拡大する構想を掲げる。1体あたりの目標価格は約3万ドルとされるが、確定した小売価格ではない。

残る現実とのギャップ

もっとも、現実とのギャップも残る。2026年初頭の時点で外部顧客は1社も発表されておらず、イーロン・マスクCEO自身も、自社工場でロボットが「実質的な稼働には至っていない」と認めている。2026年は低量産で製造プロセスを実証する年と位置づけられ、本格的な量産拡大は2027年からの見通しだ。

自動車メーカーが主力車種のラインをロボット生産に切り替えるという決断は、テスラがOptimusを単なる実験ではなく事業の柱に据えようとしていることを示す。製造の実証が計画どおり進むかどうか、そして実際に「役に立つ」ロボットを世に出せるかが、今後の試金石となる。

参考:Tesla Is Turning Its Model S Line Into an Optimus Robot Factory: Gen 3 Targets a 2026 Production Start