テスラは2026年9月3日、テキサス州オースティンで完全自動運転(FSD)専用車「Cybercab」の正式ローンチイベントを開催した。ハンドルもペダルも持たないこの2人乗りロボタクシーは、招待制イベントを通じて初めて一般の目に触れた。既存のModel Yロボタクシー事業を拡大する位置づけであり、量産車としての本格投入に向けた節目となる。
Cybercabは2024年10月、テキサス州オースティン近郊の専用コースで試乗イベントが行われ、初めて公開された。以降テスラは量産を進め、2026年7月には社内の従業員向け試乗を開始していた。今回の9月3日イベントは、その延長線上にある正式なローンチと位置づけられる。
招待客は既存利用者と「Exclusive Access」対象者
招待客は主に二つのグループから構成された。一つは8月17日から23日にかけてロボタクシーの乗車を完了した既存利用者で、抽選で5名が招待された。もう一つは「Exclusive Access」と題したメールを受け取った層で、8月30日までの出欠回答が求められた。会場への入場は21歳以上に限定され、当日は身分証の確認が行われた。
ハンドルもペダルもない特異な車両設計
Cybercabはハンドルもペダルも備えない2人乗り車両である。運転操作の一切をテスラのAI4コンピューターと完全自動運転(FSD)ソフトウェアに委ねる設計だ。人間による手動操作の代替手段が存在しないため、走行に伴う全ての判断と責任はソフトウェア側に集中する。この特異な車両設計は米国当局による承認プロセスを必要としており、規制面でも注目を集めてきた。
テスラは既にハンドルを備えたModel Yを用いた無人ロボタクシーサービスを、オースティンのほかダラス、ヒューストン、マイアミ、オーランド、タンパの計6都市で限定的に展開している。今回のCybercab投入は、この既存事業を拡大するものであり、ゼロから始まる新サービスではない。
一般利用開始の時期は依然として未定
一方で、今回のイベントはあくまで車両の披露であり、即座の量産投入を意味するものではない。一般利用者がいつCybercabに乗車できるようになるかは、記事執筆時点でも明らかにされていない。
Cybercabのローンチは、人間の運転手を前提としない完全自動運転車両へテスラが本格的に舵を切ったことを示す出来事だ。招待制イベントという限定的な形にとどまり、一般利用者への提供時期は明示されていない。ハンドルを持たない車両という特殊な設計ゆえ、規制当局の対応も今後の焦点となりそうだ。

