テスラは米国とプエルトリコで、「Model Y」プレミアムグレード向けに車載バッテリーの電力を外部機器へ給電するビークル・トゥ・ロード(V2L)機能を追加した。専用アダプターは80ドルで、キャンプ用品や電動工具の駆動が可能になる。ただし対応車種は限定的だ。
V2Lは、車両のバッテリーに蓄えた電力を家庭用コンセント相当の出力で外部機器に供給する技術で、キャンプや作業現場での電源確保などに使われる。
出力とアダプターの仕組み
今回機能が有効化されたのはModel Y Premiumで、出力は120ボルト・20アンペアの2.4kWとなる。付属の「Gen 3モバイルコネクター」の充電ケーブルのハンドル部分に専用アダプターを装着し、ケーブルのもう一方の端を通常の家庭用コンセント(20アンペア対応)に差し込むことで給電できる仕組みだ。想定される用途として、電気ヒーターや冷蔵庫、作業現場で使う電動のこぎり、キャンプ設営時の電源などが挙げられている。
対応車種と価格
対応するのはModel Y Premiumに加え、Model Y PerformanceとCybertruckだ。一方、より安価なModel Y Standardと、Model 3の全グレードは同様のハードウェア構成を持ちながらV2Lに対応しない。なおModel Y PerformanceでのV2L対応は2025年10月にも報告されていた。
アダプターの価格は80ドルで、新車購入時のオプション設定のほか、Tesla Shopで単体購入することもできる。Cybertruckでは2025年4月から同価格で提供が始まっている。
家庭への非常用電源供給(Powershare)に対応するのはCybertruckのみで、出力は11.5kWとなる。Model S・Model 3・Model X・Model Yはこの機能を持たず、停電時の非常用電源としては使えない。
競合他社との比較
他社との比較では、ヒュンダイ「Ioniq 5」は2021年から3.6kW、キア「EV6」「EV9」も3.6kWのV2Lを標準搭載する。フォード「F-150 Lightning」は2.4kWから最大9.6kW、シボレー「Silverado EV」は最大10.2kWの出力に対応しており、テスラの機能は競合と比べて出力・普及範囲ともに見劣りする。
今回の機能追加でModel Yの一部グレードでも簡易的な給電が可能になったが、出力・対応車種ともに競合他社に見劣りするのが実情だ。テスラが今後、Model 3や下位グレードへの展開、さらには家庭用非常電源の対応拡大に踏み込むかが注目される。
参考:Tesla adds 2.4 kW vehicle-to-load to Model Y Premium with $80 adapter

