SpaceX・宇宙

スペースX、スターシップの船体とブースター両方の捕獲に挑戦へ

スペースXのイーロン・マスク氏が、次のスターシップ試験飛行で、巨大ロケットの両段を発射塔でキャッチする計画を明らかにした。成功すれば、軌道ロケットが完全に回収される初の例となる。ただし時期は来月が目標とされるにとどまり、具体的な日付は示されていない。計画の中身と、これまでの実績を整理する。

決算説明会で明かされた計画

発言があったのは、10月20日に開かれたスペースXの2026年第3四半期決算説明会だ。マスク氏は、次のスターシップ試験飛行を来月に予定していると述べた。Space.comは来月が目標だと伝えており、具体的な日付は示されていない。

スターシップは完全組み立て時の全高が400フィート(122メートル)を超える巨大ロケットだ。下段のブースター「スーパーヘビー」と、上段の宇宙船「シップ」で構成される。試験飛行とは、実機を飛ばして性能や回収技術を検証する飛行を指す。

次の飛行で計画されているのは、この両段のキャッチである。スペースXの「ファルコン9」や「ファルコンヘビー」は、着陸パッドや洋上の船に戻ってくる。一方、スターシップは発射塔へ誘導され、塔の「チョップスティック(箸)」と呼ばれるアームで空中で受け止められる。回収後は点検と整備を経て、短期間での再飛行を目指す。

これまでの実績とシップ回収の難しさ

これまでの実績も押さえておきたい。スターシップは14回の試験飛行を実施した。このうちスーパーヘビーは、3回のフライトでアームによるキャッチに成功している。一方、シップのキャッチはまだ試みられていない。Space.comによると、シップは飛行高度・距離・速度がブースターより大きく、より難しいという。

直近のFlight 14は9月28日に行われた。シップはスターシップとして初めて軌道(地球を周回する飛行経路)に到達した。次世代の衛星インターネット「スターリンク」V3衛星も、最初の26機を展開した。

マスク氏の見立てと今後の焦点

マスク氏は、両段の回収を「文明と意識の歴史における深遠な技術的節目」と表現した。成功の見通しについては、次の飛行で成功する可能性は、しない可能性より高いと述べている。これはマスク氏自身の見立てであり、成功が確約されたわけではない。失敗した場合も、年末まで試験飛行を続け、来年には頻度を上げるという。

また、Space.comはマスク氏の目標として、2030年までに年間1万回超の打ち上げを挙げている。スペースXは、スターシップの打ち上げを年間数千回行える施設も建設中だという。

次のFlight 15は、ブースターに加えて、まだ試みられていないシップのキャッチに初めて挑む飛行になる。時期は来月が目標というだけで、日程は確定していない。マスク氏は成功の可能性を高く見ているが、これは本人の見立てである。

参考:SpaceX will attempt 1st-ever double Starship rocket catch on next test launch, a 'profound technology milestone,' Elon Musk says