テスラが2026年6月13日、完全自動運転(FSD)ソフトウェアの最新バージョン「v14.3.4(2026.14.6.10)」の無線(OTA)配信を開始した。対象は北米のハードウェア4(HW4/AI4)搭載車両で、Cybertruckへの配信も今回から始まった。公開時点でインストール済みの車両はフリート全体の0.1%にとどまっており、順次展開が続く。
AIコンパイラ刷新で反応速度が20%向上
今回の更新で特に目を引くのが処理速度の向上だ。AI用コンパイラをMLIRという新技術で書き直した結果、「反応速度が20%向上した」とされる。実走行での安定性改善に直結する取り組みで、FSDが苦手としてきた稀な状況や視界不良での挙動も、ニューラルネットワークのビジョンエンコーダ刷新によって改善が図られている。
Cybertruckにスマートサモン、小動物への対応も強化
具体的な機能改善は多岐にわたる。複数の信号が複雑に並ぶ交差点での信号認識が向上し、緊急車両・スクールバスへの対応も改善された。小動物に対しては事前に安全を優先した挙動をとるようになった。実際スマートサモン(Actually Smart Summon)の最高速度は8km/hから13km/h(8mph)に引き上げられ、Cybertruckでは今回初めてこの機能が利用可能となった。駐車スペースの選択精度や地図表示付きの位置予測も改善されている。
なお欧州向けには異なるバージョン(v14.2.2.6)が展開されており、今回の北米版とは別サイクルで更新が行われている。
v14.3.4は前版から続くマイナーリリースだが、コンパイラ刷新や視覚認識の向上など基盤技術の継続的な磨き込みが読み取れる。FSDの欧州承認国が増えるなか、北米向けに着実に性能を積み上げる姿勢が続いている。今後は稀な状況への対応が実走行でどこまで確認されるかが評価の焦点となる。

