テスラが累計1000万台を達成、一方で納車は2年連続減

テスラが今週、累計生産1000万台という節目を迎えた。全て電気自動車(EV)でこの規模に達したメーカーは他にない。しかし、その裏では2年連続で納車台数が減少し、生産は工場能力の半分程度にとどまる。輝かしいマイルストーンと、止まった成長という影の両面を追う。

全車EVで1000万台という偉業

テスラは今週、通算1000万台目の車両を生産した。全車がEVであり、この水準に到達した自動車メーカーは世界で他に存在しない。まさに偉業と呼ぶにふさわしい。ただし電子媒体エレクトレックは、この達成を「もっと早く起きているべきだった」とも指摘する。

節目までのペースを振り返ると、フリーモント工場で100万台目を生産したのはわずか6年前だった。そこから1000万台までを約6年で駆け上がった計算になる。急拡大を続けてきた企業であることは間違いない。

需要に制約された生産能力

一方で、直近の納車実績は失速を映す。2023年の181万台をピークに、2024年は179万台と初めて前年割れを記録した。2025年は163万6000台へと前年比9%減少し、2年連続の減少となった。2026年第2四半期(Q2)は48万126台を納車し、生産は45万1758台だった。

背景には、需要に対して過剰な生産能力がある。テスラの年間製造能力は合計237万5000台を超える。内訳は上海が95万台超、フリーモントが55万台超、ベルリンが37万5000台超、テキサスがモデルY・サイバートラック・サイバーキャブ合計で50万台である。だが実際の生産は年約180万台にとどまり、能力を50万台以上下回る。工場は能力を大きく下回って稼働しており、供給ではなく需要に制約された状態にある。

次の一手はロボットとロボタクシー

主力は依然として2017年発売のモデル3と、2020年発売のモデルYだ。より安価な次世代車は発表から2年以上経っても登場せず、サイバートラックは不振に終わり、ロードスターは設計開発の段階で止まっている。エレクトレックは、テスラが次のEVへの投資をやめ、ロボットとロボタクシーに未来を賭けた企業になったと論じる。オプティマスやロボタクシーは「1台も車を余分に売らない」との指摘だ。

1000万台という数字は、EVを主流に押し上げたテスラの歴史を象徴する。しかし成長の踊り場をどう抜けるかが次の課題となる。新型車の投入か、それともロボットとロボタクシーへの賭けが実を結ぶのか。テスラの次の一手が、EV市場全体の行方をも左右することになりそうだ。

参考:Tesla built its 10 millionth vehicle, but EV growth has stalled