テスラ、米テキサスに101億ドル太陽電池工場を計画

テスラが米テキサス州に、総投資額約101億ドル規模の太陽電池工場「Project Crystal Sun」を建設する計画を明らかにした。原料から完成モジュールまでを一貫生産する垂直統合型の巨大工場で、地元当局には10年間の固定資産税優遇を申請している。

建設地はテキサス州フォートベンド郡、投資額は101億ドル

計画によると、建設地はテキサス州フォートベンド郡、ヒューストン南西部のリッチモンド近郊だ。ブラゾス川南側、FM762号線とFM1994号線沿いの約3050エーカー(約12.3平方キロメートル)の敷地を予定する。申請は2026年7月22日付で行われ、8月6日に内容が公開された。

投資規模は総額101億1600万ドルで、内訳は不動産取得費が約15億ドル、設備投資が約86億ドルとされる。稼働後は9712人の常勤雇用を生み出す見込みだという。建設期間は2026年から2028年、商業生産の開始は2029年第1四半期を予定する。

垂直統合型の生産体制で中国メーカーに匹敵

工場の特徴は「完全に垂直統合された」生産体制にある。インゴット製造、ウエハー製造、コーティング、電極形成・印刷工程、セル検査、クリーンルームまでを自社で一貫して手がける。原料から製品まで一気通貫で行う点は中国メーカーの製造スタイルに近く、一般的な米国内の太陽光パネル組み立て事業とは異なる。

10年間の税優遇を申請、マスク氏の年100GW構想を支える

テスラはテキサス州の雇用・エネルギー・技術・イノベーション法(JETI)に基づく固定資産税の10年間軽減を申請している。同社は固定資産税を「最大の運営コストの一つ」と説明する。優遇が認められなければ、フォートベンド郡の経済性は他州の競合候補地より劣ると主張しているという。

背景には、イーロン・マスクCEOが今年1月のダボス会議で表明した目標がある。「今後約3年で年間100ギガワット規模の太陽光発電設備を米国内で製造する」というものだ。今回の工場はこの目標を支える製造拠点と位置づけられる。

コンサルティング会社クロールの試算では、本プロジェクトは38年間でテキサス州GDPに1070億ドル寄与するという。州・地方税収も64億ドル生み出すとされる。ただしこうした経済効果の数値は、優遇措置を引き出すための交渉材料であり確約ではない点に留意が必要だ。テスラは過去にもニューヨーク州バッファローのソーラーシティ・ギガファクトリーやソーラールーフ事業を手がけている。これらは当初の計画を下回る実績にとどまった経緯がある。

Project Crystal Sunは許認可申請の段階にあり、正式な着工や生産計画には今後の審査結果が影響する見通しだ。テスラの太陽光事業がマスク氏の掲げる規模を実現できるか、今後の進捗が注目される。

参考:Tesla files for permits to build $10 billion solar cell factory in Texas