スペースXが上場後初となる株式売却制限(ロックアップ)解除の試練を乗り越えた。制限解除後の5営業日で株価は35%上昇し、時価総額はおよそ5000億ドル増加した。株価は新規株式公開(IPO)価格を上回る水準まで回復している。
IPO後に急落、ロックアップ解除を控え警戒感
スペースXは2026年6月、1株135ドルでIPOを実施した。上場後の株価は一時201.80ドルまで上昇したものの、大量の株式が市場に流入するとの懸念から下落に転じ、ロックアップ解除直前の8月4日には108ドルまで下げた。これは高値から43%の下落にあたる。
焦点となったのは8月6日のロックアップ解除だ。創業初期の投資家や、友人・家族向け配分の保有者らが売却できるようになり、対象株数は9億1150万株にのぼった。これはIPO時点の流通株式約6億3900万株を上回る規模で、市場に出回る株式数が一気に2倍以上に膨らむ計算だった。ウォール街では大量の売り注文が株価を押し下げるとの見方が強かった。
懸念覆す35%高、好決算と空売り解消が追い風に
しかし実際には懸念された売り崩しは起きなかった。解除後5営業日で株価は35%上昇し、146ドル前後までIPO価格を上回って回復した。時価総額は約5000億ドル増加した計算になる。
背景には、スペースXが上場後初の四半期決算で市場予想を上回る好業績を示したことがある。売上高は前年同期比92%増の78億1000万ドルとなり、市場予想の69億3000万ドルを上回った。1株当たり損失も0.09ドルにとどまり、予想の0.26ドルの損失より小幅だった。加えて、公開株式数の34%にあたる2億1930万株もの空売りが積み上がっていたことも、株価上昇を加速させた一因とみられる。
なお、8月13日時点のスペースXの総時価総額は約1兆8600億ドルから1兆9300億ドル規模とされる。
今後も続く段階的な解除、マスク氏保有株は長期ロック
ロックアップ解除は今後も段階的に続く。8月20日には新たに3億1900万株が売却可能となるほか、イーロン・マスク氏が保有する約64億株は2027年6月まで制限が続く見通しだ。全株式の制限を180日かけて解除する9段階のスケジュールが予定されており、今後の解除局面が投資家心理をどう左右するかが注目される。
参考:SpaceX Passes First Lockup Expiry Test With $500 Billion Rally

