中国のAI企業DeepSeekは2026年8月12日、フラッグシップモデル「DeepSeek V4 Pro」の正式版(0813)をリリースした。約4カ月にわたるプレビュー期間を経ての本番投入となる。SWE-bench Verifiedで80.6%を記録するなど高い性能を示す一方、価格体系にも変更が加わっている。
アーキテクチャを刷新、推論コストを削減
DeepSeekは今回、混合エキスパート(MoE)方式を採用したV4 Proを投入した。総パラメータ数は1.6兆に達するが、実際にトークンごとに使用される活性パラメータは49億にとどまる。
アーキテクチャには、圧縮スパースアテンション(CSA)と高圧縮アテンション(HCA)という新技術を採用した。これにより、単一トークンあたりの推論計算量を前モデルのV3.2比で27%に削減し、KVキャッシュの使用量も10%まで抑えたという。
ベンチマークで高スコア、競合モデルとも比較
性能面では、最大推論モードで動作する「V4-Pro-Max」が複数のベンチマークで高スコアを記録した。主な結果は次の通りである。
- ソフトウェア開発タスクを評価するSWE-bench Verified:80.6%
- 大学院レベルの知識を問うGPQA Diamond(pass@1):90.1%
- 幅広い分野の知識を測るMMLU-Pro:87.5%
- コーディング能力を評価するLiveCodeBench(pass@1):93.5%
- ターミナル操作能力を測るTerminal Bench 2.0:67.9%
記事では、これらの数値がGPT-5.4やGemini 3.1-Proといった競合モデルとも比較されている。
価格体系と利用方法
価格面では、入力トークンはキャッシュミス時に100万トークンあたり0.435ドル、キャッシュヒット時は0.003625ドルとなる。出力は100万トークンあたり0.87ドルだ。コンテキストウィンドウは100万トークンに対応し、最大出力トークン数は38万4000に達する。ただしDeepSeekは、近い将来API全体で大幅な値上げを実施する方針も予告している。
利用方法としては、OpenRouter(deepseek-v4-pro-0813)から利用できる。また、DeepSeek独自のAPI(deepseek-v4-proエンドポイント)からも利用可能だ。OpenAIのChatCompletions形式とAnthropicのMessages形式の両方に対応しており、既存のツールから移行しやすい設計だ。同時実行数の上限は、Proモードで500、Flashモードで2,500に設定されている。推論モードは非思考・高推論・最大推論の3段階から選択できる。
なお、DeepSeekのモデルはMITライセンスの下でオープンウェイトとして公開されており、Hugging Face上では先月だけで140万回ダウンロードされた実績がある。今回のV4 Proの本番化に先立ち、7月31日には軽量版の「Flash」が先行公開されていた。
プレビュー版から技術面でどのような変更が加えられたかは明らかにされていない。しかし正式リリースにより、企業利用における信頼性は一段と高まったといえる。予告されている大幅な値上げが、今後の開発者やユーザーの利用動向にどう影響するか注目される。
参考:DeepSeek Ships V4 Pro as Its Flagship Model Leaves Preview

